シロアリは約3億年前に出現しました。地中などに巣をつくり、そこから蟻道と呼ばれるトンネルを伸ばして枯れた木材や落ち葉などを餌とし生きています。現在ではシロアリと聞くと家を食い荒らす害虫という認識だと思いますが、自然界においては倒木などを分解し物質を循環する役割をしています。
実際にシロアリを見たことがないといわれる方がほとんどです。しかしシロアリと私達は身近な存在といえます。庭にある木柵や地面に放置してある木材などの下を探せば割合簡単に見つけることができます。
日本国内で確認されているシロアリは約22種といわれています。このうち建物に被害を及ぼすものは主にヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリの4種です。
高知県西部ではヤマトシロアリとイエシロアリの2種による被害がほとんどの状況ですが、今後荷物とともに運ばれてきたり、環境の変化などで他種による被害が発生する可能性は考えられます。
シロアリは王(雄)と女王(雌)を中心に、職蟻(働き蟻)、兵蟻(兵隊蟻)などが集団で生活しています。その集団がある程度大きくなると、新しい巣をつくるために有翅虫(羽をもった王と女王)が一斉に飛び出すことを群飛といいます。群飛した有翅虫は雌雄対になって営巣場所を探し、やがて新しい集団を形成することとなります。
群飛の時期はヤマトシロアリが4月下旬から5月上旬、イエシロアリが5月下旬から6月中旬ですが、気候により時期は前後する場合があります。
シロアリとクロアリの違いがわかりますか?からだの色が違うだけでなくシロアリは等翅目、クロアリは膜翅目というように昆虫学において分類されています。クロアリは昆虫や菓子など色々な物を食べますが、シロアリは木材を主に食べていて、木の成分のうちセルロースとヘミセルロースを分解し栄養をとっています。
羽アリでの見分け方は下図を参考にして下さい。シロアリの羽アリは体長5~8mm程度で白色ではないので「これがシロアリ?」と思われるかもしれません。
お客様から「羽アリが出た!」と連絡を受け行ってみると、確かに羽アリに間違いないけれどそれはクロアリだったということはよくあります。
蟻道とはシロアリが作るトンネルで土、排出物、木材などを固めて出来ていて、手のひらより大きいものから、5mm以下の小さいものまで大きさや形は様々です。シロアリは光や乾燥を嫌うのでこの蟻道を通じて移動しています。
シロアリ防除(予防・駆除)ではこの蟻道を探すことがシロアリ被害を判断する材料のひとつとなります。
シロアリ被害は床下など通常では気付きにくい箇所からはじまります。そこから柱や壁を通じて小屋組に達し、やがては梁や桁まで被害が進行する場合もあります。